183: Part 1 05/01/25 19:10:09
四半世紀くらい前、俺が小3の頃の話。
近所に「笑顔で無茶な事をしでかす」ので有名なちょっと頭の悪い奴がいた。
奴はいつも俺らの仲間の後を何も言わず笑顔でついてくる。
奴を撒くのは簡単だったが(というかそれが遊びの一つになっていた)、
気がつくといつのまにか俺らの後にいて、笑っていた。






俺らがガキの頃はまだ便所は家の外にあり、汲み取り式だった。
今では考えられないかもしれないが、人糞は畑の肥料として直接撒かれていた。
便所から汲み取ったものを川の水で薄め、藁と混ぜ、「こえだめ」で熟成させるのだ。
たまに手伝わされたのだが、想像を超えるほど臭く、汚く、つらい作業だった。
人間というものはつらい記憶を意識的に消し去るようであまり覚えていないのだが、
俺はその頃から生野菜が食えない(というか体が受け付けない、すぐ吐いてしまう)
のでトラウマとなっているのは間違いないようだ。

184: Part 2 05/01/25 19:10:44
「子供は残酷で糞好き」というのは昔も今も変わらないと思うが、当時の俺らも
当然そうだった。「…したら仲間に入れてやるよ」という子供にありがちなイジメが
「糞関係」に発展していくのは避けられない事だったと思う。
「クラスのぶさいくな女子の縦笛盗んで舐めろ」とか「神社の境内にあるカラスの
死骸をランドセルの中に入れろ」とか「ガラスの破片だらけのゴミ捨て場で前転」
とかを楽勝でクリアする奴なら当然の事だ。
「こえだめの上を飛び越せ」の時もバランスを崩して片足突っ込んだが、糞
まき散らしながら笑顔で走ってついて来た。俺らは狂ったように逃げ、その日から
鬼ごっこのような遊びは奴の名前で呼ばれるようになった。

その日、相変わらず笑顔でついてくる奴にうんざりした仲間の一人が、不可能と
思われる事を言い出した。「町で一番汚い(貧乏な)家の便所の汲み取り口に
いるウジ虫を食ったら仲間に入れてやる。」それを聞いたとたん奴はその家に
向かって走り出した。まさか本当にやるとは思わなかった俺らは驚いて後を追った。
その家の便所はまさに想像を絶する汚さだった。ウジ虫のみならず見たことも無い
ような奇抜な虫となめくじが大量に生息していた。
奴は便所の汲み取り口の前にしゃがむとどのウジ虫にしようか品定めをし始めた。
白いウジ虫や黄色いウジ虫、黒っぽいサナギみたいなものなどいろいろある中で
奴は黒っぽいサナギみたいなものを手に取った。
俺らは「ヤメろー!」と叫んだが、奴は満面の笑みでその黒いものをゆっくりと口に
持っていき、俺らに見せつけるようにくちゅくちゅと噛みだした。
言い出しっぺの仲間は号泣しながらゲロを吐き続けた。…まさにそこは地獄だった。

185: Part 3(最後) 05/01/25 19:12:09
時が経ち、大学生になって町を離れていた頃、昔の仲間の一人がバイクの事故で
死んだ、と電話があった。葬式はちょっとした同窓会の雰囲気を醸し出し、弔いの場
では無くなっていてちょっと不謹慎な感じがした。
久々に集まった仲間はやはり「笑顔で無茶な事をしでかす」奴の話で盛り上がった。
驚いた事に誰も奴が今どうしているのか知らなかった。というか奴の名前さえ正確に
思い出せない有様だった。あんな事やこんな事もしたよなと笑いながらも「あの日」
の話は結局誰もしなかった。暗黙の了解のように。

葬式からの帰り道、「あの日」の言い出しっぺの奴と二人きりになった。その日ずっと
無口だったそいつがぽつりと話し始めた…「あのさ…あいつってさ、結局『あの日』
以来あんまり俺らの前に出てこなくなったよな?何してんのかなぁと思って、俺一度
あいつの後をつけた事があるんだよ。何処行ってたと思う?…あの家だよ。あの便所
だったんだよ。そして…食ってた……。もしかしたら、俺らに言われたから食ったん
じゃないのかもな。実はずっと前から食ってたのかもしれん…。」

短編小説っぽく書きましたが、すべて実話です。長文スマソ。

186: ななしのいるせいかつ 05/01/25 19:30:13
>>183-185
(((;゚Д゚)))
なんか虫食う話ばっかだな

187: ななしのいるせいかつ 05/01/25 20:06:31
いつからここは嘔吐中枢を刺激するスレに・・・・・(ウヲプ

193: ななしのいるせいかつ 05/01/25 23:59:49
というか、その不思議君が今何してるのかがすげぇ気になるんだけど・・・

194: ななしのいるせいかつ 05/01/26 00:08:23
>>193
自分も気になる

195: ななしのいるせいかつ 05/01/26 00:23:52
その汚いうちというのが自宅だったとかな。

197: 183 05/01/26 05:39:46
>>195
いや、奴の家も貧乏だったが、その汚いトイレの家に比べたら全然ましだった。
木でできた家なのだが、とにかく朽ち果てていた。隙間だらけで木は腐っていた。
俺の田舎は雪が降る地方なのだが、冬の間どう過ごしていたのか今考えるととても不思議だ。
そこには老夫婦と俺らがババアと呼び恐れていた50代くらいの女性が住んでいたはずだ。
はずだ、と書いたのはついぞババアしか見かける事がなかったからだ。
老夫婦はババアに殺されているか、食われているに違いないと、あの頃の俺らは信じていた。
玄関(らしきもの)のすぐ横(家の外)にその問題のトイレはあり、大便器と小便器があった。
トイレのドアなんてものはすでに無く、外から丸見え。もちろん電球なんかあるはずもなく、
いつも暗く濡れていた。床の木も隙間だらけで(下が見える)、腐って抜けている所もあった。
壁にはわざと塗りたくっているんじゃないのか?と思われるくらい汚物が付着していた。
驚くのはいつも和式便器から汚物があふれ山のようになっている事だ。たぶん汲み取りをする
金も気力も無かったんだろう。
もちろん強烈な臭いが周辺にまであふれ、その家の前を通る時はみんな息を止めダッシュしていた、
映画「トレインスポッティング」に「スコットランドで一番汚いトイレ」というシーンが出てくるが、
あんなの全然甘い。上には上があるのだ。
ババアはいつも男用の小便器で小便をしていた。小便器に腰掛けるように尻を向けて「立ちション」
する。下半身はもちろん丸出しで、そばを人が通る気配がすると「あっち行け!あっち行け!」と
いつも叫んでいた。そして、その小便器もまた、汚物(大)で汚れていた…。
俺が今も思い出すのはその信じられないくらい汚いトイレの横に生えていたイチジクの木だ。
誰も手入れなんかしていないであろうそのイチジクは毎年不思議なくらい実をつけていた。
そして大量のカミキリムシとその幼虫がいつもその木を覆っていた。
今でも俺はイチジクが食えない。どうしても。

202: ななしのいるせいかつ 05/01/26 12:04:11
>>183
文章旨いね、その辺のコネで仕事してる自称作家よりも旨い
ホラー小説でも書いたらどうだ

引用元: ・【Σ(||゚Д゚)ヒィィィィ】人生で一番驚愕した瞬間 4度目




1001: 以下、おすすめ記事をお送りします: 2016年03月27日 05:14 ID:shurabamatome

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